割引請求で罰金24万円! ベトナムのクレジットカード事情
近年、著しい経済発展を遂げているベトナムでは、クレジットカードの普及率が飛躍的に上昇しています。ベトナムのクレジットカード市場は、2008年から2012年にかけて平均56.29%も伸びており、カードの発行枚数も2008年には23万枚だったのに、2012年には140万枚まで拡大しています。
とはいえ、実際のクレジットカード利用者数は600万円ほどであり、年数が経過してもそれほど増えておりません。しかも、クレジットカードの利用目的の多くは、ATMから現金を引き出すことであり、使用されているクレジットカードも90%以上が立替払いのできないデビットカードです。ベトナムでは、国内商取引の90%以上が未だ現金で行われているというデータもあり、まだまだキャッシュレスサービスの利便性は伝わっておりません。
それでもクレジットカードのシェアが拡大しているのは、企業努力の賜物と見ることもできますが、シェア拡大の一方でカスタマーサービスが疎かになっているという指摘も多いです。消費者がクレジットカードの利用に積極的ではない理由の一つに、銀行から消費者に対する情報が不正確であり信用できないという不信感があります。
また、クレジットカードの普及に伴い、必ず出てくる問題として、販売店の割増請求があります。割増請求とは、クレジットカードで決済する時に店側が手数料などと称して、実際の代金よりも高い金額を請求することです。割増料金を行うショップを野放しにしておくと、当然クレジットカードの信用はますます下がります。キャッシュレス決済を普及させて経済を活性化させたい政府としては、違反業者に対して何かしら厳しい処置を取ることは当然と言えます。2014年5月14日のサイゴンタイムズによると、ベトナム国家銀行は、割増料金を行った事業者に対して最大5,000万ドン(約24万円)の罰金を科し、さらに割増料金による売り上げ没収、カード決済に関する取引を1年間停止することなどを明らかにしました。
クレジットカードは、ベトナムの今後の発展にもなくてはならない決済方法です。ぜひ、環境を整備してクレジットカードの利用者を増やしてもらいたいですね。